パッケージデザイン

高級感あるお風呂用品のパッケージデザイン

  • 高級感あるお風呂用品のパッケージデザイン

通販でのヒットを機に、店頭販売に向けた「顔」を構築

クライアントは、水回り用品の企画・製造を手掛けるメーカー様です。今回デザインを担当したのは、お風呂の排水口に設置し、髪の毛やゴミを効率的にキャッチするアイデア商品でした。

この商品はもともと楽天などのECサイトを中心に販売されており、SNSでのバズやインフルエンサーによる紹介をきっかけに、生産が追いつかないほどのヒットを記録していました。その高い性能に注目した小売店のバイヤーから「ぜひ店頭でも扱いたい」との要望が入りましたが、当時のパッケージは通販用のシンプルな白い箱のみ。一般消費者向けの棚に並んだ際、競合商品と比較して手に取ってもらえる「店頭用パッケージ」が必要となり、当社へご相談をいただきました。


1,500円という強気な価格設定に見合う「高級感」の表現

本商品の最大の課題は、その価格設定にありました。排水口用のヘアキャッチャーは100円均一ショップやホームセンターのプライベートブランドであれば数百円で購入できる、いわば「コモディティ化」した市場です。その中で、1,500円という価格は非常に高額な部類に入ります。

クライアントからは、以下の2点を強く要望されました。

1. 高価格相応の上質感

1,500円を支払う価値があると感じさせる、高級感のある佇まい。

2. ベネフィットの明確化

既存の安価なネット商品と比較して、いかに掃除が楽になり、水詰まりを解消できるかというメリットを分かりやすく伝えたい。

性能に絶対の自信があるからこそ、見た目で損をせず、かつ「掃除の手間を省きたい」というターゲットの悩みに深く突き刺さるデザインが求められていました。


課題の言語化と「実物イメージ」による即決の提案

プロジェクトの開始にあたり、まずは他社商品の市場調査を実施しました。多くの競合品が雑貨的な可愛らしいデザインや、機能説明を詰め込んだ賑やかなパッケージを採用している中、当社は「高性能ゆえの上質感」を打ち出す方向性を定めました。

制作プロセスにおいては、単にデザイン案を画面上で見せるのではなく、ディレクターとデザイナーによる徹底的なディスカッションを通じて、「商品の魅力をいかに言語化し、視覚化するか」を突き詰めました。提案時には3つの異なる方向性のデザインを用意しましたが、特筆すべきは、提案資料だけでなく「実際の完成イメージを施したダミー」を持参したことです。

特に、上質感を演出するための「箔押し」や「マット加工」といった印刷表現は、平面のデータでは伝わりきりません。実物に近い立体的なサンプルを提示することで、クライアントに店頭での見え方を具体的にイメージしていただき、結果としてその場で案が即決されるというスムーズな進行を実現しました。

水回り日用品パッケージデザイン|イラストを使った特長説明

「極み」のロゴが生むブランド力と、印刷品質への徹底したこだわり

提案の核となったのは、商品の圧倒的な性能を象徴する「極み(きわみ)」というネーミングとロゴデザインです。

漢字の「極」の一部を「水」に変えたオリジナルのロゴを制作し、水回りの課題を極限まで解決するという意思を表現しました。このロゴをパッケージの中央に据え、余計な情報を削ぎ落としたシンプルな構成にすることで、他社商品とは一線を画す「ハイスペックな専門用具」としての佇まいを演出しました。

技術面では、当初検討していた「マットPP加工」が、フィルムの影響で色が沈んでしまう懸念があったため、より発色が安定し、コストメリットも高い「マットビニール加工」への変更を提案しました。また、ロゴ部分には銀色の「箔押し」を施し、光の当たり方で高級感が際立つよう設計しています。

さらに、デザインのイメージを製品化の段階で損なわないよう、印刷工程管理を徹底しました。デザイナーが自ら印刷工場に足を運び、インクの調合をメモリ単位で調整する「立ち会い色校正」を実施。クライアントのモニター上のイメージと、実際の印刷結果に相違が出ないよう、製造の最終局面までクオリティを管理しました。これはパッケージデザインに精通し、印刷会社との強固なパートナーシップを持つ当社の強みを活かした提案です。


シリーズ化によるブランド展開と実績の波及効果

完成したパッケージは、店頭に並ぶやいなや大きな反響を呼びました。1,500円という価格をネガティブに感じさせない上質な見え方が、結果として「しっかりとした良いものを買いたい」という層の信頼を獲得しました。

この成功により、当初はお風呂用のみだった本商品は、洗面台用やマグネット版といったバリエーション展開へと広がり、現在では「極みシリーズ」として3商品目までラインナップが拡大しています。クライアントからは「ロゴやネーミングを含めた提案が、ブランド構築の大きな力になった」と高い評価をいただきました。

また、このパッケージが店頭で注目を集めたことで、他社からも「あのような高級感のあるパッケージを作りたい」といったお問い合わせをいただくなど、当社の制作実績としても象徴的な事例となりました。デザインから印刷の細部までこだわり抜くことで、商品のポテンシャルを最大化させるブランディング支援の重要性を改めて証明した案件です。