<イベント>
KAKERU #3

2020.11.16

第3回目のテーマも引き続き「各業界のプレゼンテーション術」
今回は当社グライド代表の小久保による「パッケージリニューアルのプレゼンテーション」でした。
パッケージデザインでは1から新商品のデザインをする以外にも、既存商品のパッケージをリニューアルする案件が少なくありません。
ロングセラーと呼ばれる何十年とある商品でも要所でデザインに手を加えています。
パッケージをリニューアルする主な理由としては以下の事があげられます。

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今回は売り上げが伸び悩んでいる商品の具体的な事例を見ながら、どのようにしてデザインのリニューアル提案をしているかというプレゼンテーションでした。
参考になった進め方をいくつかをご紹介すると。

問題 > 課題 > 解決

今回の「売り上げが伸び悩んでいる」という問題に対して、目指す目標と現状(=問題)のギャップを埋める課題を見つけ出します。
まずは現状を把握するための分析として、売られている地域、店舗、棚、他のライバル商品、購入層などを情報収集。
市場におけるポジショニングや商品特長、他社製品との違いから強みや弱みを洗い出します。
そして抽出した課題と分析した情報から、デザインでできる解決方法を検討します。
プレゼンの際に単にデザインを提案するだけではなく、クライアント側と課題と解決方法を共有する事で、リニューアルする方向が間違わないようにデザインのブレを無くしていくも大切です。

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モックアップで見せる

プレゼンテーション用の資料とともにパッケージのモックアップは必須です。
最終の仕上がりをよりイメージしていただく為に、可能であれば実際に印刷される紙などの素材で作成します。
パッケージは立体物であり、平面だけでは判断できない事が多々あります。
提案資料だけではなく立体になった時にどう見えるのか、触った時にどんな感触なのかなど商品を購入する消費者の立場から検証を進めます。
さらに実際にライバル商品と並べて見せる事で、単体でデザインを見ただけでは気づかなかった細かな状況を把握しやすくなります。

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プレゼンスタイル

パッケージリニューアルだけではありませんが、プレゼンテーションをする際に都度提案スタイルを変えるのも効果的です。

▶︎テーブルには少人数か多人数か
少人数の場合は、プレゼンといえども対話しながら進める事が可能で、段取りを決めつけすぎず空気を読みながら進めます。
多人数の場合は、まずは一方的に説明する事も多いと思いますので、準備を怠らずに段取り通りの進行を心がけます。

▶︎プロジェクターの有り無し
ある場合は画面を見ながら集中して話を聞いてもらえますが、ない場合は資料を先読みしてネタばれしてしまう事も。
あえて資料を作り込みすぎず、資料の内容と口頭で説明する内容を切り分ける工夫も必要です。

▶︎競合の有り無し
競合がいる場合は特にデザイン+αを心がけます。
相談しやすさや信頼感が得られるように人や会社の魅力も合わせて伝えます。

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消費者とメーカーを繋ぐ最後の窓口であるパッケージデザインは、商品の売り上げに直結しているといっても過言ではありません。
何となく作ったデザインで結果が出るほど甘い世界ではありませんが、それだけにきちんと分析を進めればデザインで解決できる問題が多くあるのもまた事実です。

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株式会社グライド 代表取締役/ディレクター 小久保あきと
数社のデザイン事務所を経て2006年に独立。
「売れるためのデザイン」をコンセプトに掲げ、見た目だけにとらわれない、見た人や手に取る人の「心を動かせるデザイン」で、売れるという結果を出すことを目指している。

https://www.gride.biz