お香・線香パッケージ
植物性100%「お香・お線香」環境配慮のパッケージデザイン
仏事用から普段使いへ、植物性100%「お香」の開発
長年にわたりお線香を製造されてきたクライアントは、お盆やお墓参りといった従来の習慣が希薄化する現代において、仏事用ではない普段使いできる雑貨的なお香(おこう)の開発に注力されていました。今回開発された新商品は、防腐剤や香料に至るまで植物性100%の天然原料にこだわった高品質なものです。リラックスやメンタルの浄化作用があるハーブを贅沢に使用しており、従来のお線香とは一線を画す、スピリチュアルな価値を持った商品でした。
天然素材が感じられるシンプルでオシャレに
従来の線香のイメージではなく、新商品の持つ「100%天然原料」「環境への配慮」「浄化作用」といった世界観を、雑貨店に置いても遜色のないデザインで訴求する必要がありました。また、良い原料とこだわりの素材を使用しているため、安っぽく見せずに上質感を表現しつつ、箱のコストは抑えたいという、予算面での厳しい制約がありました。
クライアントからは、新商品の魅力と世界観をストレートに伝えられる、天然素材が感じられるシンプルでオシャレな感じのパッケージデザインを求めるという抽象的かつ信頼に基づいたご要望をいただきました。その真意は、天然原料100%という最大の特長を最大限にアピールし、雑貨店やライフスタイルショップという新しい販路で手に取ってもらえるデザインを実現することでした。

新商品の世界観に注目、環境配慮と上質感を両立
このプロジェクトは、デザインに入る前に、いかに商品の世界観を崩さず、なおかつコストを抑えて具現化するかという、素材選定と加工技術の提案からスタートしました。
「植物性100%」という商品の特長を表現するため、デザインだけでなくパッケージ資材自体も環境に配慮したものにするべきと考えました。また、厳しい予算制約の中で上質感を出すため、色数を抑え、代わりにエンボス加工(型押し)という手法を初期段階で決定。これにより、デザインの方向性が明確になり、提案のバリエーションを絞り込むことで、短期間でデザインが完成しました。

当社からの提案では、「シンプルさ」の中に商品の持つ「上質感」と「環境配慮」のメッセージを込めました。
デザイン・ブランディング面での工夫
「浄化」や「天然原料100%」というコンセプトに基づき、余計な要素を徹底的に省いた潔いシンプルさで上質感を表現しました。デザインは極力シンプルにし、紙本来の白さを最大限に活かしています。また、主原料であるハーブの形状をモチーフに、単なるイラストではなくデザインとして成立するマークを制作しました。これにより、「植物性100%」の特長と「清潔感」「スピリチュアルな世界観」の全てを両立させました。
営業用のパンフレットも同じ世界観でイメージ撮影を行うことで、商品がもつ世界観をブレずに伝えています。パッケージを手がけているからこそ、一気通貫で販促物のデザインも行えます。

技術・コスト面での工夫
商品の世界観に説得力を持たせるため、環境への配慮とコスト効率の両立を提案しました。まず、商品の「環境への優しさ」というメッセージとの整合性を保つため、森林管理の認証を受けたFSC認証紙や、サトウキビの搾りかすをリサイクルしたバガス紙といった環境素材を採用しました。その上で、コストを抑えつつ上質感を出すために、印刷の色数を最小限に絞り、その削減分を上質な紙素材に充当。さらにエンボス加工を施すことで、シンプルな中にも高い高級感とデザイン性を実現し、予算面でもランニングコストを抑えながら期待以上の品質で仕上げることができました。
新販路での成功とラインナップ拡大
(期間に関する文章を削除)新しい販路での展開に貢献しました。クライアントからデザインについては「シンプルでいい感じになった」とご満足の声をいただき、コンセプトとデザインの方向性が合致したことで、スムーズに具現化することができました。シリーズは当初2種類から始まりましたが、お客様にも好評で最終的には6種類へとラインナップが広がりました。
また、このパッケージデザインを見て、当社に「こんな感じにしてほしい」というパッケージデザイン制作のお問い合わせが他の企業からも寄せられるなど、当社の実績としても好循環を生み出しています。
